筆者はこれまでiPhone 5sを利用していたが、バッテリーの持ちが悪くなり今年の初めにiPhone 7を新しく購入した。iPhone 7にはイヤホン接続用のジャックがない。充電やバックアップ時に利用するアップル独自のライトニングケーブルを接続するためのジャックがあるのみだ。そこにイヤホン用の変換アダプタをつなぎ、従来のイヤホン端子を接続して利用するのが標準的な使い方のようである。

 だが個人的には、1つしかないジャックがふさがってしまうのは心もとない。また、もとから利用していた有線のイヤホンには困ることもあった。花粉が舞う時期は、イヤホンとマスクをつける順番を間違えるとケーブルとマスクの紐が絡まってしまう。電車に乗るときに、リュックを背中から前に持ち替える際、ケーブルが邪魔になることもある。

 そこで、なけなしのお小遣いを使って、ジャックを使用しないイヤホンを買ってみることにした。今回購入したのはアップルのワイヤレスイヤホン「AirPods」である(写真1)。

写真1●購入したAirPods
写真1●購入したAirPods
(撮影:三井情報 厚田 大輔)
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 1カ月ほど利用しているが、これまで有線のイヤホンを使って感じていた「ケーブルが絡まる」というストレスから解放されており、ワイヤレスのメリットを体感している。

 AirPodsは、Bluetoothを利用している。つまりWi-Fiの2.4GHz帯と同様に、干渉源が多くある帯域を利用していることになる。だが筆者は日常使用において、音が完全に切れるなどの事象には遭遇していない。ごく稀に、プツプツと雑音が入ることがある程度だ。

 ここでふと「AirPodsとiPhone 7を接続して音楽を聴いているとき、どんな感じで電波が出ているのだろう」ということが気になった。そこで、ラボで電波を可視化してみることにした。

AirPods使用中の電波を可視化してみた

 今回は、電波を可視化する「スペクトラムアナライザー」という装置を用いて、2.4GHz帯を利用するアクセスポイント、iPhone 7、AirPodsが存在している環境で、電波がどのように見えるのかを確認した(図1)。

図1●2.4GHz帯を利用するWi-Fiアクセスポイント、iPhone 、AirPodsの電波を確認したときの構成
図1●2.4GHz帯を利用するWi-Fiアクセスポイント、iPhone 、AirPodsの電波を確認したときの構成
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