Wi-Fi(無線LAN)の通信は2.4GHz帯と5GHz帯を使用する。このうち2.4GHz帯は、電子レンジやコードレス電話などでも利用されていて、それらがWi-Fiの通信と干渉してしまう場合があることは広く知られている。本連載でも以前、2.4GHz帯を使う電子レンジがWi-Fiの通信に与える影響を検証した。

 こうした状況でもあるので、可能ならばWi-Fiは5GHz帯を使用した方がよい。2.4GHz帯よりもチャネル数が多いからである。

実は5GHz帯にも「ほかの住人」がいる

 だが5GHz帯は「Wi-Fi専用」ではなく、実はレーダーも使用している。このことは、初めてWi-Fi設備を導入するという企業のシステム管理者と話をしていると、結構知られていない。

 総務省は、「我が国の電波の使用状況」という文書を公開している(図1)。これを見ると、無線LANが利用している周波数と並んで、5250MHzから5850MHzまで(5.25GHz~5.85GHzまで)を「気象レーダー」や「各種レーダー」が利用していることが分かる。

図1●総務省が公開している「我が国の電波の使用状況」から
図1●総務省が公開している「我が国の電波の使用状況」から
(総務省 電波利用ホームページの「使用状況の詳細(平成28年12月現在) 3000MHz~10000MHz(=10GHz)」(http://www.tele.soumu.go.jp/resource/search/myuse/use/10000m.pdf)の一部を加工して引用)
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 このレーダーの存在は、Wi-Fi機器の動作に大きな影響を及ぼしている。