「Wi-Fi(無線LAN)はどれくらいの距離、通信できますか?」

 ユーザーからよく聞かれる質問のひとつだが、そこには様々な条件が関係してくるので簡単には答えられない。

 過去に様々な無線LANの長距離通信実験のニュースや記事を見たが、筆者の印象に残っているのは島の間で無線LAN通信試験に成功したという話だ。受信側・送信側ともに高い指向性と利得を持つアンテナを利用し、約60kmの通信に成功したというから驚きだった。

 ただ、通常のユーザーが利用するアクセスポイント(AP)と端末の組み合わせで測定した場合は、そこまでの長距離通信はできない。そのため先ほどの質問に、筆者が「無線LANは60km離れても利用できます」と答えることはない。

 では、通常のオフィスなどで利用するAPと端末で測定した場合は、どれくらい遠くまで通信できるのだろうか。

 筆者は仕事で、公園などの広い場所にAPを持参して測定することがある。ただし公園の利用許可取得から始まり、機材搬送や準備、測定など多大な労力を要するため、気軽に実施できることではない。

写真1●公園でのAPの通信距離特性試験をしている様子
写真1●公園でのAPの通信距離特性試験をしている様子
(撮影:三井情報 厚田 大輔、以下同じ)
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