任天堂は2016年12月15日(日本時間)、iOS向けゲームの最新作「スーパーマリオ ラン」の配信を始める。思い返せば、米アップルが9月に「iPhone 7」を発表したイベントで、会場が最もヒートアップしたのは、マリオの生みの親に当たる任天堂の宮本茂氏が登壇した瞬間だった(写真、関連記事:マリオ、ポケモン、Suicaと日本向けのアピールが目立ったiPhone 7発表会)。

写真●2016年9月の「iPhone 7」発表イベントに登場した「スーパーマリオ ラン」と任天堂の宮本茂氏(右)
写真●2016年9月の「iPhone 7」発表イベントに登場した「スーパーマリオ ラン」と任天堂の宮本茂氏(右)
(撮影:松村 太郎)
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 「任天堂は早くアップルと手を組むべきだ」というのが持論だった筆者も、胸が熱くなったことを覚えている。

 米国でも、任天堂のゲーム機の販売台数は長期低落傾向にある。カジュアルなゲームが任天堂のゲーム機からスマートフォンに移行するなかで、アップルが任天堂をきちんと説得して、iPhoneやiPod touch、iPad、Apple TVで任天堂のタイトルをプレーできるようにすれば、両社が米国で得意とするファミリー層やライトなゲームユーザー層をうまく取り込めると考えていた。

 スマホの処理能力の向上と、スマホゲームにおけるユーザー体験の成熟という二つのタイミングが重なって、今回の「マリオがiPhoneへやってくる」という出来事につながったのだと思う。

 iPhone 7発表会でマリオが登場したときの熱気の中で思ったのは、日本のゲームタイトルやキャラクターの強さである。同様に発表会に登場した「ポケモンGO」とともに、ゲーム分野での突破力の強さが印象に残った。