米アップルは「世界エイズデー」にちなんで、 12月1日から1週間にわたり、エイズ撲滅に向けて活動している団体「RED」の支援を行う。日本を含む世界400店舗以上のアップル直営店で、普段は白いアップルロゴを赤く変えて、エイズ撲滅運動への関心を高めるチャリティーキャンペーンを展開する。

 REDは2006年に設立された団体で、ロックバンドU2のボノ氏が発起人になっていることでも知られている。活動開始当初、HIV(エイズウイルス)に感染して生まれてくる赤ちゃんの数は毎日1200人だった。だが、直近では400人にまで激減し、2020年までにはゼロになるという見通しだ。アップルもRED設立当初からのパートナーとして10年間、その活動を支えてきた。

 REDによると、これまでにグローバルファンドに対して、365億ドルの資金が集まり、全額エイズ撲滅支援に使われた。このうちの120億ドルがアップルの活動から寄付されたという。

支援の方法は大きく変化

 アップルはこれまでも、製品ラインアップのなかで赤い製品を用意し、「(PRODUCT)RED」として、売上高の一部をグローバルファンドに寄付するプログラムを展開してきた。

 真っ赤な「iPhone」や「iPad」、「MacBook Pro」などはまだ登場していないが、「iPod」シリーズや、iPhone/iPad用のシリコンケースなどで(PRODUCT)REDモデルを設定してきた。今回のキャンペーンに合わせて、これまでブラックとホワイトしかなかったiPhone 7向けのバッテリー内蔵ケース「Smart Battery Case」と、iPhone SE用の赤いレザーケースを新たに発売した。

 これらに加えて近年強化しているのは、人気ゲームアプリ内での課金による寄付だ。「App Store」では、キャンペーンに合わせてアイコンを赤くしたり、ゲーム内で全額寄付するアイテムを用意するなど、アップルの呼び掛けとこれに応えるアプリ開発者の連携によるデジタルチャリティー活動を展開している。