AR(拡張現実)、VR(仮想現実)というキーワードは、じわじわと盛り上がりつつあり、ヒットするコンテンツに取り入れられている。

 例えば「ポケモンGO(Pokemon GO)」は、「ARゲーム」をうたっているわけではないが、実際の位置情報やカメラの画像にポケモンが現れる仕掛けがある。現実世界とゲーム世界を巧みにブレンドし、ゲームの世界観を作り上げることに成功している。

 VRについても、ゲームやビデオコンテンツなどで利用されるようになり、身近に試せる場面が増えている。例えば「Facebook」のニュースフィードには、360度の写真を投稿できるようになった。スマートフォンで閲覧中に端末の向きを変えれば、ぐるりとその写真の周囲を見渡すことができる。

 我々が今後、ARやVRを生かしてどのように情報を得たり、エンタテインメントを体験したりするのか。もはや未来の可能性ではなく、手元にある現実になったのだ。

ティム・クックCEOの発言も

 アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)は、ARの将来性についてさまざまな発言をするようになった。ポケモンGOのヒットについても、革新的なアプリにとって朗報だとコメントしている。ARは顧客体験とビジネス面でチャンスであるとして、投資を強化する姿勢も示してきた。

 米Bloombergは2016年11月中旬に、「アップルがARに対応するメガネを、iPhoneのアクセサリーとして開発している」と報じた(関連記事:Apple、メガネ型端末の製品化を検討か、早ければ2018年に登場との情報)。既に「Apple Pencil」「Apple Watch」が存在していることから、名称は“Apple Glass”あたりが順当だろうか。

 アップルが「ARに関するデバイスを開発している」ことを示す報道はこれまでにもあった。アップルはAR関連企業の買収を続けてきたことが報じられてきた。モーションセンサーでのゲームプレーを実現するイスラエルの技術企業PrimeSenseがその代表格だ(関連記事:Apple、イスラエル「PrimeSense」の買収を認める)。