米アップルは2017年6月5日(現地時間)から、カリフォルニア州サンノゼで、年次開発者会議「WWDC 2017(WWDC17)」を開催する。前年のサンフランシスコからサンノゼへと開催場所を変える。アップル本社のクパティーノからも近いことから、新社屋「Apple Park」の部分的なプレビューなどが実施されるかもしれないとも期待している。

 WWDCは開発者向けのイベントであり、ハードウエアに関する発表を期待するのは、本来の趣旨からずれている。しかし今回は、数々の新製品に関する噂が飛び交っている。

 1つ目は、「iPad Pro」の新機種だ。10.5インチというこれまでとは異なるサイズで登場するデバイスとして注目されている。3月のiPad新製品発表時にも登場が期待されていたが、実際はラインアップの整理にとどまっていた。

 2つ目は「Siri」を搭載するスマートスピーカー。米アマゾン・ドット・コムの「Amazon Echo」がトップを走るこの分野において、同社は第2世代となるディスプレイ付きの「Amazon Echo Show」を発表し、足場固めに取り組んでいる。また米グーグルも「Google Home」をリリース済みで、夏には日本を含む米国外の国々でも発売される。

 ライバルたちが積極的な動きを見せる状況で、アップルが何も答えを出さないわけにはいかなくなってきた。Siri向けにアプリを開発できる「SiriKit」の大幅なアップデートがあれば、あえてアップルブランドのデバイスを出さなくてもいいと筆者は考えている。一方で、「Apple Music」の活用を考えると、「Beats」ブランドを冠するなどしてスマホなしで音楽再生ができるスピーカーが登場しても良さそうだとも思う。