米アップルの「AirPods」はヘッドホン端子がなくなった「iPhone 7」シリーズと組み合わせるために発売された。

 iPhoneに付属してきた「EarPods」のイヤーピース部分からケーブルを取り外し、左右独立型のBluetoothワイヤレスヘッドホンとして市場に登場させた。小型軽量のワイヤレスヘッドホンの弱点であるバッテリー寿命については、左右それぞれ5時間、ケース内蔵バッテリーとの組み合わせで最大24時間再生を実現した。

写真1●筆者の「AirPods」
写真1●筆者の「AirPods」
(撮影:松村 太郎)
[画像のクリックで拡大表示]

 筆者は徒歩での通勤と仕事中にAirPodsを使っている(写真1)。おおむね2~3日に1度ケースを充電すれば、途切れず音楽が楽しめる。この点が、これまでのワイヤレスヘッドホンとは比較にならないほど快適だ。

 一方で、供給が追いついていないのは問題だ。「Apple Watch」の供給能力がiPhoneと同等でないように、AirPodsもiPhoneと同等の供給能力を持たせるのは難しいのだろう。すべてのiPhone 7ユーザーが購入するオプションでもない。

 ただ「AirPodsが欲しい」と感じたユーザーは多かったようだ。発売はiPhone 7から3カ月遅れの2016年12月中旬になった(関連記事:Apple、出荷が遅れていた「AirPods」をようやく発売)。このことも相まって、今オーダーすると、米国でも6週間待ちという状況だ。

 アップルからは、具体的な販売台数等の数字は発表されていない。だが、CEO(最高経営責任者)のティム・クック氏は「runaway success」、つまり「手に負えないほどの成功」と表現している。これは、供給不足の現状も含めて、よく言い当てている言葉だ。