米アップルの「MacBook Air」は2008年1月15日の初代モデルの発表から10年を迎えた。ちょうど2017年がiPhoneの10周年だったことは記憶に新しいが、そのiPhoneと組み合わせて軽快に持ち運べる、Mac史上最も薄いノートPCを投入したのだ。
華々しく登場したが…
MacBook Airはこの10年間で7世代が登場し、デザインも1度変更された。
初代MacBook Airは、それまで13インチで最も軽かったMacBookに比べて900gの軽量化と大幅な薄型化を実現して登場した。
当時、サンフランシスコでMacBook Airを発表したのはスティーブ・ジョブズ氏。壇上で茶封筒から製品を取り出すパフォーマンスが印象的で、その様子は現在でもYouTubeで確認できる。壇上で引き合いに出されたのは、ソニーの「VAIO Type T TZシリーズ」だった。プレゼンテーションでは、十分なディスプレイサイズとフルキーボードを搭載しながら、厚みを大幅に削減したデザイン上の特徴を強調した。
この薄型デザインを実現するため、それまでノートPCで当たり前のように搭載されてきた光学式ドライブや大きな映像出力ポートをばっさり切り捨て、USBポートを1個だけに割り切ったことも話題となった。
2010年7月にはMacBook Airをモデルチェンジ。さらなる薄型化とボディデザインの変更を図り、13インチモデルに加え、11インチとさらに小さなモデルを投入した。
アップルのノートPCのうち、ハイパフォーマンスモデルの「MacBook Pro」では2012年に光学式ドライブとハードディスクドライブ(HDD)を排除。iPhoneやiPadで採用したRetinaディスプレイにアップグレードしたモデルをリリースし、通常のディスプレイを備えるMacBook Airとの差異化を図った。
2015年には12インチのRetinaディスプレイを備えたMacBookをリリースし、2016年に11インチのMacBook Airの販売を終了した。2016年10月にMacBook ProのRetinaディスプレイモデルを刷新したが、このタイミングではMacBook Air 13インチモデルはアップグレードされず、廉価版としてラインアップに残された。
MacBook Airはこのまま終焉を迎えるかとみられたが、2017年6月のラインアップ刷新でプロセッサがインテルの第7世代Core(Kaby Lake)にアップグレードされた。