第3回は、LTEベースのIoT無線技術の概要と、ネットワーク全体の視点からの考察、これらの技術の応用分野について述べる。

 表3に、LTEベースIoT無線技術の各カテゴリーの比較を示す。なお、各カテゴリーの仕様内容や要素技術については第4回以降に解説する。最大通信速度について、Cat-0やCat-1では半2重の場合は全2重に比べて半分以下となる。これは、送信と受信で共用している発振器の周波数を切り替えるための時間が必要となり、切り替え中は通信ができないためである。バッテリー寿命目標については全てのカテゴリーで10年としているが、各カテゴリーでどれだけの通信時間と通信量が必要か、どの程度受信データの待ち受け時間を確保する必要があるかによって実際の寿命は大きく異なる。

表3●LTEベースIoT無線技術の比較
表3●LTEベースIoT無線技術の比較
出典:エリクソン
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1つの搬送波で20万~100万のデバイスを収容可能

 利用対象周波数としては、Cat-M1、NB-IoTともにUE(IoTデバイス)が電波環境の良くない場所に置かれても、より確実に通信できるように、1GHz以下のいわゆるプラチナバンドを主なターゲットにしている。ただし、対象周波数でのLTEカバレッジが確保されていることも重要であり、2GHzなどの帯域を利用することや、2.5GHzのTDD帯域を利用する可能性も担保されている。