チームに「戦うポリシー」を示し、仕事の優先度づけの仕組みも定着させた舞子。おかげで、2人の部下は、だいぶメリハリを意識して動けるようになってきた。
そんな中、すけさんがぼそっと言った。
「そろそろ、もう少し難しい仕事もしたいですねぇ」
いつも穏やかな、すけさん。バリバリと突き進むタイプでは決してないが、向上心はあるようだ。
リーダーの舞子としても、難易度の高い仕事を部下にやってもらえたら助かるし、ある程度難しい仕事も自律的に判断できるよにうになってほしい。なにより、すけさんの向上心を大事にしたい。
しかし、3年目のすけさんにいろいろ任せるのは、まだ早い。
では、すけさんがどうなったら、より難易度の高い仕事を任せられるのか?舞子自身、明確な答えがない。
――困ったな、このままではいつまでたっても部下が育たない…
舞子は考え込んでしまった。