強い企業とは、継続的にビジネスモデル変革や業務プロセス変革を実現できる企業のことだ。しかし、個別最適化された情報システムが、これを妨げることが珍しくない。

 柔軟なシステムアーキテクチャーを実現するための基本的な考え方を、なじみ深い都市の構造に見立てて学んでいこう。今回は、クラウドの扱い方を、福岡の歴史になぞらえて考える。

写真●福岡の街並み
写真●福岡の街並み
(出所:123RF)
[画像のクリックで拡大表示]

 クラウドを活用したいが、社内のセキュリティポリシーと適合しない――。クラウドが普及するにつれ、こうした障壁に突き当たる企業は少なくない。多くの企業が、セキュリティポリシーを定めている。ただし、旧来のオンプレミス環境を想定したものだったり、クラウドが登場し始めた数年前に作られたものだったりすることあるようだ。

 企業のビジネスモデル変革を推進するには、クラウドをいかに使いこなせるかが鍵を握る。迅速な導入が可能で柔軟にスケールアウトできるというクラウドの長所は、新ビジネスをスタート、拡大させるのに適しているからだ。逆に、新しく挑戦するビジネスモデルが軌道に乗らず、縮小を余儀なくされる際も、クラウドならば対応しやすい。

 本来であれば、オンプレミス環境に加えてクラウドの活用も前提とした統一的なセキュリティポリシーを新たに設定するのが望ましい。クラウドのセキュリティに関しては、「クラウドはやはり心配」、「専業ベンダーが管理するのでむしろ安全」など、様々な議論が存在する。クラウドに対する自社なりの見解をまとめ、それを反映させたセキュリティポリシーへと見直していくのが理想的だ。