「DBS Bankでは、顧客が新規口座開設などについて質問するとバーチャルアシスタントが回答する仕組みを導入している。既に1万以上の質問に対し、92%もの精度で正しい回答ができるようになった。顧客は、スマートフォンに話しかけるだけで様々な銀行サービスを受けられる。手のひらの中に銀行があるようなものだ」。

 シンガポールDBS Bank Group Head Digital Bank、IBF FellowのOlivier Crespin氏は2016年8月3日、都内で開催された「FinTech Impact Tokyo 2016」(主催:日経FinTech、CIO(IDG Group))の基調講演「FinTechがもたらす金融サービスの変革とイノベーション」で、同行の先進的な取り組みについて紹介した。

DBS Bank Group Head Digital Bank,IBF Fellow のOlivier Crespin氏
DBS Bank Group Head Digital Bank,IBF Fellow のOlivier Crespin氏
(撮影:下玉利 尚明)
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金融サービスに特化したバーチャルアシスタント
金融サービスに特化したバーチャルアシスタント
(撮影:下玉利 尚明)
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 同氏は講演の冒頭、スクリーン上に1枚のドレスの写真を映した。

右脳と左脳の使い方によって見え方が異なるドレス
右脳と左脳の使い方によって見え方が異なるドレス
(撮影:下玉利 尚明)
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 これは、FaceBook上でも話題になった写真で、ドレスの色が見る人によって「紺色と黒」あるいは「白と金色」に見える。右脳と左脳の使い方の違いによって見え方が異なるという説を紹介した。続けて、「銀行サービスも左脳型とも言える伝統的なサービスと、右脳型の革新的な取り組みとの2つの側面が求められている」と指摘。銀行の顧客や一般消費者の行動やニーズの変化に加えて、FinTechのスタートアップ企業の登場により、「銀行業界は次世代の顧客ニーズを満たすため、自らの変革と革新を迫られている」と述べた。