Windows 10 Anniversary Updateは(開発コード名RedStone 1、以後RS1)は、2015年11月にTH2(Windows 10 バージョン1511)が出て、8カ月ぶりのアップデートになる。マイクロソフトは、Windows 10の発表時に「Windows as a Service」として、Windows 10を定期的にアップデートしていくとした。現在は、年2回の「Feature Updates」と、毎月1回以上の「Quality Updates」を行うとしている(画面1)。

 前者は、TH2やRS1のような機能追加を含むアップデートだ。これに対して、Quality Updateは、「累積的」(Cumulative)と呼ばれるアップデートで、主にセキュリティやバグFixなどが中心で機能追加は原則しない。

画面1●Windows 10は、毎月1回の「Quality Updates」と年2回を目標とする「Feature Updates」を行う予定だ。
画面1●Windows 10は、毎月1回の「Quality Updates」と年2回を目標とする「Feature Updates」を行う予定だ。
(出所:WinHEC 2016資料「Windows As A Service」)
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 マイクロソフトでは、Feature Updatesの開発とWindows Insider Programによるプレビューの期間を6カ月以上としている(画面2)。これにより、年2回のアップデートを行う予定だ。RS1のグループポリシーエディタでは、この方針に合わせてアップグレードの延期機能が変更になっている。

画面2●Future Updateは、6カ月以上の開発期間はPreview Branchとして公開され、その後正式公開される。そして次のFuture Updatesの開発が始まる。
画面2●Future Updateは、6カ月以上の開発期間はPreview Branchとして公開され、その後正式公開される。そして次のFuture Updatesの開発が始まる。
(出所:WinHEC 2016資料「Windows As A Service」)
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 Windows 10の出荷日である2015年7月29日を起点とすれば、RS1は、プレビュー版ビルド14393のリリースで見ればぎりぎり1年以内。何とか年2回のFeature Updateを実現した。なお、次のアップデートとなるRS2は、2017年春に予定されているという。

RS1の意義とは

 RS1では、これまで分離されていたWindows 10 Mobileと開発が完全に同期した(画面3)。TH2では、通常のPC向けのWindows 10(Windows 10 Desktop)とMobileは、個別に開発が進んでいて、リリースされるビルド番号が違っていた。RS1のWindows Insider Previewでは、Desktop/Moibleで同じビルド番号のものが同時にリリースされるようになった。恐らく、ソースコードのレベルで統合され、プラットフォーム間で共通、独自の部分が完全に分離されて、同期して開発が可能になったのだと考えられる。

画面3●2016年2月の時点では、プレビュー版は、DesktopとMobileでビルド番号が違っていた。しかし、3月になると同じビルドでのリリースが可能になった。
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画面3●2016年2月の時点では、プレビュー版は、DesktopとMobileでビルド番号が違っていた。しかし、3月になると同じビルドでのリリースが可能になった。
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画面3●2016年2月の時点では、プレビュー版は、DesktopとMobileでビルド番号が違っていた。しかし、3月になると同じビルドでのリリースが可能になった。
(出所:米マイクロソフト、Windows Insider Blog)