ネットワーク機器として“スイッチ”という場合、ほとんどの場合はイーサネットスイッチを指す。その役割は、データをイーサネットフレームという形で転送し、送信元の端末から宛先の端末へ届けること。宛先を示す情報は、48ビットのMACアドレスである。こうした基本機能は、どのスイッチ製品でも変わらない。
実際のスイッチ製品をみると、一番に目立つ違いは大きさとポート数である(図1-1)。例えば、家庭向けのスイッチは、ポート数が10個未満の小型製品で十分。一方、企業やデータセンターで使うスイッチは、数十~数百ポートを備えた中型製品や大型製品が使われる。また、スイッチの形態でも、大きく2つに分けられる。ポート数が固定されている「ボックス型」と、ポートを備えたカード(モジュール)を増設できる「シャシー型」(モジュール型)である。
ここでは、10ポート未満のボックス型製品を「小型スイッチ」、10ポート以上のボックス型製品を「中型スイッチ」、シャシー型製品を「大型スイッチ」とおおまかに分け、それぞれの製品を分解して内部を見ていく。今回は、小型スイッチを分解してみよう。