2016年12月12日から12月16日に公表された市場動向についてレポートする。MM総研「国内クラウド市場は1兆円を突破」、IDC Japan「~ デジタルトランスフォーメーション・エコノミーの萌芽 ~ 2017年 国内IT市場の主要10項目を発表」、アイ・ティ・アール「2015年度のAPI管理市場は80.0%増と急成長し、国内市場が本格化 2020年度の市場規模は5.6倍を予測 ITRがAPI管理市場規模推移および予測を発表」を取り上げる。

 MM総研は2016年12月13日、国内のクラウドサービスに関する調査結果を発表した。2015年度の市場規模は前年度比33.7%増の1兆108億円で、調査開始以来、初めて1兆円を突破した。

国内クラウドサービス市場規模
国内クラウドサービス市場規模
(出所:MM総研)
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 クラウドの持つコストメリットやスピードメリットを背景に、社内の既存システムをクラウドに移行する動きが加速しているという。MM総研は2020年度までの同市場の年平均成長率を27.4%と予測、2018年度に2兆1750億円、2020年度に2015年度比3.4倍の3兆3882億円にまで拡大するとした。

 クラウドサービスの形態別に市場規模も調査した。SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)およびIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)といったパブリッククラウドは、2015年度に同19.8%増の2756億円に達した。

 パブリッククラウド市場はIaaS/PaaSの成長を背景に成長を続けると同社は分析している。2020年度までの年間平均成長率は17.7%で、2020年度には2015年度比2.3倍の6238億円にまで拡大するとした。

 一方、プライベートクラウド(ホステッド、オンプレミスおよびコミュニティ)の2015年度の市場規模は同39.7%増の7352億円だった。2020年度までの年平均成長率は30.3%で、2017年度に1兆円を超え、2020年度には2015年度比3.8倍の2兆7644億円に達すると予測した。