2016年12月5日から12月9日に公表された市場動向についてレポートする。総務省「『地域IoT実装推進ロードマップ』及び『ロードマップの実現に向けた第一次提言』の公表」、IDC Japan「国内産業分野別 企業規模別 IT支出動向および予測を発表」、矢野経済研究所「コールセンター(テレマーケティング)市場・コンタクトセンター/CRMソリューション市場に関する調査を実施」を取り上げる。

 総務省は2016年12月9日、「地域IoT実装推進ロードマップ」および「ロードマップの実現に向けた第一次提言」を発表した。IoT(インターネット・オブ・シングズ)やビッグデータ、人工知能(AI)といったテクノロジーを活用して、人口減少や高齢化、経済の低迷など、地域が抱える課題をどう解決していくかの道筋を示した。

 ロードマップでは、地域住民がIoT実装の恩恵を感じられる「生活に身近な分野」として7分野を示し、地域IoT実装による2020年度時点の経済波及効果をそれぞれで試算した。7分野は具体的に、「教育」「医療・介護・健康」「働き方」「防災」「農林水産業」「地域ビジネス」「観光」である。

 2020年度の経済波及効果は全体で4兆9300億円、雇用創出効果は44万9300人に達すると試算。ICT分野の効果では、投資増加額が1兆1200億円、雇用創出効果が4万9100人になるとした。

分野別の経済効果
分野別の経済効果
(出所:総務省)
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 分野別で最も経済波及効果が大きいとしたのが「医療・介護・健康」で1兆3000億円だった。雇用創出効果は9万4300人で、ICT投資増加額は2900億円、ICT雇用創出効果は1万2700人に達するとした。

 次いで大きいのが「地域ビジネス」分野で、経済波及効果が1兆400億円、雇用創出効果が10万6100人だった。3番目は「観光」分野で、経済波及効果が1兆100億円、雇用創出効果が13万200人と試算した。

 ICT投資の増加額で見ると、最も大きいのが「農林水産業」分野の4200億円。雇用創出効果は1万8400人に達するとした。次いでICT投資の増加額が多いのが「医療・介護・健康」分野で2900億円、3番目は「教育」分野で2300億円だった。

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