2016年9月20日から9月23日に公表された市場動向についてレポートする。IDC Japan「国内標的型サイバー攻撃対策市場予測」、矢野経済研究所「ポスト2020年の日本社会と成長産業に関するアンケート調査(2016年)」、IDC Japan「2016年第2四半期 世界大判プリンター市場実績」を取り上げる。

 IDC Japanは2016年9月20日、国内の標的型サイバー攻撃対策ソリューション市場に関する調査結果を発表した。同社は、「特化型脅威対策製品」市場と「セキュリティサービス」市場の二つについて、市場規模の算出と予測を実施した。

 特化型脅威対策製品は、サンドボックスエミュレーションやコードエミュレーション、ビッグデータアナリティクス、コンテナ化などの非シグネチャベースの技術による脅威対策製品。セキュリティサービスには、インシデントに対するコンサルティングや特化型脅威対策製品導入のためのシステム構築サービス、マネージドセキュリティサービス、教育/トレーニングサービスが含まれる。

 2015年の特化型脅威対策製品の市場規模は前年比77.9%増の92億円に達した。2015年~2020年の同市場の年間平均成長率(CAGR)は、22.1%と分析。2020年には251億円にまで拡大する。

国内標的型サイバー攻撃向け特化型脅威対策製品市場、製品別売上額予測、2013年~2020年
国内標的型サイバー攻撃向け特化型脅威対策製品市場、製品別売上額予測、2013年~2020年
(出所:IDC Japan)
[画像のクリックで拡大表示]

 一方、セキュリティサービスの市場規模は2015年については、同7.6%増の3666億円。2015年~2020年のCAGRは7.6%で、2020年には5290億円に拡大すると予測した。

 市場別にみると、特化型脅威対策製品について、大企業や官公庁を中心に社内デバイスへの攻撃を検出するアプライアンス製品の導入が進んでいると分析。今後は、社内/社外に関わらず一元管理されたセキュリティポリシーで標的型サイバー攻撃に対策できるSaaS型ソフトウエア製品へのニーズがさらに高まるという。

 セキュリティサービス市場では、高度化する標的型サイバー攻撃による大規模な情報漏洩事件が増加した影響で、機械学習機能など人工知能を活用した高度な脅威インテリジェンスによるマネージドセキュリティサービスが広がっているとみる。

IDC Japanの発表資料へ