2016年8月1日から8月5日に公表された市場動向についてレポートする。富士キメラ総研「2016 ブロードバンド・モバイルサービス総調査」、矢野経済研究所「クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)市場に関する調査」「ドローン(UAV/UAS)世界市場の調査」を取り上げる。

表1●モバイル決済サービス市場(FinTech関連)
表1●モバイル決済サービス市場(FinTech関連)
(出所:富士キメラ総研)
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表2●仮想通貨市場(FinTech関連)
表2●仮想通貨市場(FinTech関連)
(出所:富士キメラ総研)
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 富士キメラ総研は2016年8月1日、ブロードバンドを活用したモバイル関連サービスについての国内市場調査を実施した。モバイル決済サービスや仮想通貨、クラウドファンディングなどのFinTech関連、タクシー配車サービスなどシェリングエコノミー関連などが対象。モバイル決済サービス市場は2015年度の14億円から2020年度には5.7倍の80億円に拡大(表1)。仮想通貨市場は、2015年度の1850億円から2020年度には5.4倍の1兆円市場に急成長すると予測した(表2)。

 モバイル決済サービス市場は、スマートデバイスと決済アプリケーション、決済リーダーで決済業務が行えるサービスで、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催や、国土交通省の主導による観光立国構想にともなう外国人観光客の増加により、サービスを導入する施設や店舗の増加が期待されているという。

 仮想通貨については、2014年2月にマウントゴックスが経営破綻したものの、ビットコインはその後も正常な取引が続けられ、仮想通貨による取引額は拡大を続けていると分析。利用者保護の観点から2016年5月に資金決済法をはじめ関連する法律が改正され、仮想通貨が物品やサービスの対価に使用できるなど財産的な価値があり、円などの法定通貨と交換できるものと定義されたことなどが市場拡大を後押ししているという。

 一方、クラウドファンディングについては、大口の不動産投資や海外投資、プロジェクトへの投資などを行う企業に小額資金で貸付けを行う「金融型」と、資金を必要とする企業・団体を支援し報酬を受け取る「購入型」に分けて調査。金融型は2015年度の800億円から2020年度には5.1倍の4100億円に、購入型は2015年度の57億円から2020年度には5.2倍の295億円に達するという。タクシー配車サービスは、2015年度の70億円から2020年度には2.5倍の176億円に拡大すると予測した。

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