2016年7月25日から7月29日に公表された市場動向についてレポートする。IDC Japan「国内IT市場 地域別予測」、IPA「サイバー情報共有イニシアティブ(J-CSIP)運用状況(2016年4月~6月)」、IDC Japan「国内仮想化ソフトウエア市場予測」を取り上げる。

 IDC Japanは2016年7月27日、国内IT市場の地域別予測を発表した。2016年は、ハードウエア市場が各地でブレーキとなり、東京都が前年比成長率は2%でプラス成長となる以外は、プラス成長が見込めないという。

 特に、北海道/東北地方、北陸/甲信越地方、中国/四国地方、九州地方などの大都市圏(東京都、関東地方、近畿地方、東海地方)以外では、マイナス2.9%の成長率となると予測。2016年も前年に引き続き、大都市圏とそれ以外の格差が広がると指摘した。

 大都市圏以外の地域でのIT支出の動向についてIDC Japanは、2015年の円安時には原材料コストの高騰が下請け企業の業績を圧迫してIT支出を抑制、円高時には大企業の業績悪化が下請け企業の売上に影響してIT支出が伸び悩むと指摘。IT支出の低迷が円安時でも円高時でも続いていることから、「構造的な問題である」と分析している。

IDC Japanの発表資料へ

国内IT市場 地域別前年比成長率予測(2015年~2020年)
[画像のクリックで拡大表示]
国内IT市場 地域別前年比成長率予測(2015年~2020年)
(出所:IDC Japan)