2017年月4月10日から4月14日に公表された市場動向についてレポートする。IDC Japan「国内BPOサービス市場予測を発表」、アイ・ティ・アール「ITRが人材管理(タレントマネジメント)市場規模推移および予測を発表」、IDC Japan「国内IT市場 LOB支出の産業分野別 企業規模別動向分析結果を発表」を取り上げる。

 IDC Japanは2017年4月12日、国内のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスに関する調査結果を発表した。2016年の市場規模は前年比4.9%増の7017億円に達した。

国内ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービス市場 支出額予測、2016年~2021年
国内ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービス市場 支出額予測、2016年~2021年
(出所:IDC Japan)
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 2016~2021年の年間平均成長率は3.7%で、2021年の市場規模は2016年比20%増の8427億円にまで拡大すると予測した。慢性的な人材不足に加え、デジタルトランスフォーメーションの進行などが後押しし、国内BPOサービス市場は堅調な成長を続けていく見込みだ。

 セグメント別に分析すると、2015年と比較して最も成長率が高かったのは、調達/購買BPOサービス市場。2011年以来続いていた2桁成長は途切れたものの、高い成長率を維持したという。

 理由として、全社的な視野でのコスト削減やコスト最適化が遅れている間接材を中心に、ガバナンスを利かせた調達プロセスや購買プロセスを最適化する需要が高まっているという。2016~2021年の年間平均成長率は6.4%に達するという。

 人事BPOサービス市場は2016年、調達/購買BPOサービス市場に迫る成長率を示し、今後も堅調に推移する見通し。新卒人材の確保・定着のため、福利厚生を重視する企業が増加していることなどが背景にある。

 官公庁での利用拡大や、働き方の多様化に伴う人事業務再設計の需要などが下支えし、2017年以降は成長率が緩やかに下降しつつも、調達/購買に次ぐ成長率を維持すると予測している。

 カスタマーケアBPOサービス市場は2016年は堅調推移。同社では2017年以降もこの傾向が続くと指摘している。音声通話によるサービスの需要低下などが響き、成長率が伸び悩んでいたが、ここに来てデジタルマーケティングでのマルチチャネル対応への需要が拡大。音声電話もデジタルマーケティングに活用しやすくなったため、コンタクトセンターの有用性が改めて見直されているという。

 財務/経理BPOサービス市場は以前からアウトソーシングが進んでいたため、需要が一巡しているという。成長率は低いものの、近年、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による自動化導入の動きから、プロセスの標準化のためのコンサルティングと合わせて今後、BPOサービス市場全体の成長を握るカギになるという。

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