2017年1月16日から1月20日に公表された市場動向についてレポートする。MM総研「ARとVRに関する一般消費者の利用実態と国内市場規模」、トレンドマイクロ「2017年もマルウェアスパムの攻撃は継続中、新たな『火曜日朝』の拡散を確認」、IDC Japan「国内データセンターインフラ管理ソフト(DCIM)市場予測を発表」を取り上げる。

 MM総研は2017年1月17日、拡張現実(AR)と仮想現実(VR)について、一般消費者の利用実態や市場規模を分析した調査結果を発表した。同社は2016年度(2017年3月期)を「VR元年」と位置付ける。

 ARとVRのそれぞれでネームバリューのあるコンテンツやハードウエアが登場し、VR用のヘッドマウントディスプレー(HMD)が手頃な価格で相次ぎ発売されたことが理由だ。言葉の認知度ではARが30.9%、VRが47.5%に達しているという。

 2016年度の市場規模は、ARコンテンツ市場が59億円、VRコンテンツ市場が27億円、VR HMD市場が55億円となる見通し。5年後の2021年度には、ARコンテンツ市場が2016年度比6倍の355億円、VRコンテンツ市場が同26倍の710億円、VR HMD市場が同19倍の1046億円に達する予測だ。

国内AR・VRコンテンツ/VR HMDの市場規模(~2021年度)
国内AR・VRコンテンツ/VR HMDの市場規模(~2021年度)
(出所:MM総研)
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 急拡大の背景には、2020年度にサービス開始予定の5G(第5世代移動通信システム)や東京オリンピック・パラリンピックに合わせたVR向けサービスの登場などがあるとした。VRコンテンツとVR HMDを合計したVR市場規模は2016年度が82億円、2021年度は21倍の1756億円となる見込み。

 AR技術を使ったコンテンツの利用経験についても複数回答で調べた。「利用したことはない」が69.1%と最多で、次いで「ポケモンGO」が20.4%、「カメラアプリ(SNOW、Snapchatなどで撮影時に顔が加工されるものなど)」が9.8%だった。

 VR HMDの所有状況では、「所有している」が3.4%にすぎず、「検討中」が8.0%、「持っていない」が88.5%となった。VR HMDは4万円以上でハイエンドに位置付けられるPlayStation 4やゲーミングPCを活用したコンソール型のVR HMDは、台数としては少ないものの高品質なコンテンツを楽しみたいユーザーに好まれていると指摘。今後もVRを活用したイベントなどで積極的に利用されるとした。

 4万円未満のミドルレンジに分類されるVR HMDは、スマートフォンなどを活用したモバイル製品が中心で、様々なジャンルで手軽に楽しむ利用シーンが増えるという。併せて、4000円以下の紙製などの簡易VR HMDも、動画配信サービスの360度映像の視聴や雑誌やイベントの付録など無料のサービスが拡大するうえで有力な受け皿になると予測している。

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