2017年1月4日から1月13日に公表された市場動向についてレポートする。IDC Japan「国内IT市場 地域別予測を発表」、ノークリサーチ「2017年中堅・中小企業におけるIT活用の展望その1:業務システム/IoT/RPA編」、IDC Japan「国内情報セキュリティ製品市場予測を発表」を取り上げる。

 IDC Japanは2017年1月10日、地域別の国内IT市場に関する調査結果を発表した。2016年の国内IT市場を地域別に見ると、東京都が前年比2.1%のプラス成長となったものの、その他の地域ではハードウエア市場の低調により一律マイナス成長だった。

国内IT市場 地域別前年比成長率予測、2015年~2020年
国内IT市場 地域別前年比成長率予測、2015年~2020年
(出所:IDC Japan)
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 特に大都市圏(東京都、関東、近畿、東海)以外の地域は2015年比3%減以上のマイナス成長の見込みだ。大都市圏以外の地域とは具体的に、北海道、東北、北陸、甲信越、中国、四国、九州である。大都市圏以外の地域で成長率を上げるには、行政主導による地方創生のための抜本的な変革が必要と、IDC Japanは指摘する。

 2017年の市場動向も予測した。東京都だけのプラス成長は変わらず、大都市圏と大都市圏以外の格差は引き続き広がるという。

 背景として、東京都内には業績好調の大企業が多く、他地域に比較して第3のプラットフォームを活用した戦略的IT投資も増加していると分析。さらに、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けた投資も見込まれるとする。

 一方で、大都市圏以外の地域には業績が低迷する中小企業の割合が高く、それに伴う海外シフトやインバウンド需要の大都市圏への集中などの要因が響き、IT支出は抑制傾向となるとした。ITベンダーは大都市圏の大企業や大都市圏以外の中小企業、行政機関などそれぞれのニーズや課題の違いを的確に捉える必要があると同社は指摘する。

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