2016年12月19日から12月28日に公表された市場動向についてレポートする。IDC Japan「2016年第3四半期 国内サーバー市場動向を発表」、ガートナー ジャパン「ガートナー、人工知能(AI)に関する10の『よくある誤解』を発表」、情報処理推進機構(IPA)「SNSに性的画像を投稿することが問題だと思わない人の割合は昨年比11.7%増の54.9%」を取り上げる。

 IDC Japanは2016年12月19日、国内のサーバー市場に関する調査結果を発表した。2016年第3四半期(7~9月)の市場規模は前年同期比15.4%減の991億円で、出荷台数は同8.6%減の13万2000台にとどまった。3四半期連続で、全ての製品分野で出荷額と出荷台数が減少した。

 出荷額の減少が続く大きな要因は、市場全体の出荷額の7~8割程度を占めるx86サーバーが前年同期比で2桁のマイナス成長になったこととした。x86サーバーは出荷額で同11.5%減の806億円、出荷台数で同8.2%減の13万1000台に落ち込んだ。平均単価も同3.6%のマイナスだった。

 前年同期にはメインフレームで金融向けの、その他のサーバーで金融や官公庁、大学向けの大型案件があったが、今期は大型案件が無かった。反動によって、メインフレームが同22.9%減、その他のサーバーが同33.7%減の大幅減となった。

 ベンダー別出荷額では前四半期に続き富士通が首位を保った。同社のメインフレームはプラス成長だったが、前年同期にあった大学向けのHPCハイ・パフォーマンス・コンピューティング)専用機の大型案件を補う案件がなかった。サーバ全体では2桁のマイナス成長となった。

2016年第3四半期 国内サーバー市場 ベンダーシェア【出荷額】
2016年第3四半期 国内サーバー市場 ベンダーシェア【出荷額】
(出所:IDC Japan)
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 2位はNECで上位ベンダーの中で唯一のプラス成長だった。x86サーバーで流通向けの大口案件があり、メインフレームやその他のサーバーのマイナス成長を補った。3位は日本ヒューレット・パッカードで、その他のサーバーで大型案件があったものの、x86サーバーの出荷額の減少を補うほどの出荷がなく、全体では2桁のマイナス成長となった。

 4位は日立製作所で、全ての製品分野で出荷額が減少し、サーバー全体では2桁のマイナス成長だった。5位はデルテクノロジーズで、2桁のマイナス成長。

 6位は日本IBMで、前年同期にあったメインフレームやその他のサーバーの大型案件を補うほどの出荷がなく、2桁のマイナス成長となった。日本IBMは前四半期の4位から6位に後退し、日立とデルが順位を上げた。

 IDC Japanはサーバー市場が出荷額と出荷台数ともに減少傾向にあることについて、クラウドサービスプロバイダーがx86サーバーを発注する大口案件における(発注元が直接サーバーを調達する)ODM Directとの価格競争、パブリッククラウドサービスの台頭による新規サーバー購入案件の減少などが要因として考えられると指摘する。ベンダーが顧客の経営や業務の視点に立って、オンプレミスITやクラウドサービスなどのITリソースを適材適所に提案できる体制を強化する必要があるとした。

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