法人番号公表サイトによると、1400社以上の法人が同じ所在地にあるという場所が都内にある。これだけ多くの法人を管理するには、法人番号が不可欠だ。法人番号にひも付ける企業のデータ形式の共通化も進められている。企業の情報を扱う業務が効率化できそうだ。

 法人番号公表サイトによると、同じ所在地に多数の法人があるという場所がいくつかある。同じ所在地に多数の法人がある場所をランキングしたところ、トップになったのは東京都千代田区にある「丸の内3丁目1番1号東京共同会計事務所内」である()。登記記録の閉鎖分を含めて、1400社以上の法人が同じ場所にある。

表●法人番号公表サイトのダウンロードデータによる多い所在地
表●法人番号公表サイトのダウンロードデータによる多い所在地
注:2016年6月末時点の法人番号公表サイトのデータによる結果。変更によるダブルカウントや閉鎖・抹消などがされた法人も含むため、現在は異なる場合がある。
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 東京共同会計事務所は、会計・税務や金融関連の役務提供サービスを手掛けている。不動産の証券化など、特定の資産を保有する目的で設立された法人が多いようだ。こうした法人は通常の会社ではなく、証券化した不動産の受け皿となる特定目的会社や代表社員1人で設立可能な合同会社などが多い。

 法人数が多い所在地の2位となったのは、同じ東京の「中央区築地5丁目2番1号」。これは築地市場の住所である。水産物の仲卸会社が数多くあるためのようだ。

 地方都市では、市役所などに「財産区」という特別地方公共団体が数多く所在している場合がある。財産区とは、市町村制となる前の幕藩時代の村から引き継いだ財産を管理するために、地方自治法で法人格を認められたものだ。町村合併で旧町村の財産を引き継ぎ管理している例もあるという。