答え:Webでは暗号化が当たり前になりつつあります

 暗号化するのは大事な情報をWebサーバーに送信する際だけ──。セキュリティのこんな常識が変わりつつある。あらゆるWeb通信をHTTPSで暗号化する時代が間もなくやってくる。

 実際、HTTPSを使うWebサイトは増えている。米グーグルやモジラ財団などが支援するプロジェクト「HTTP Archive」によると、HTTPSを使うWebサイトは現在、18%。4%程度だった2012年6月時点から急増している(図2-1)。

図2-1●HTTPS(TLS/SSL)を使用するWebサイトの割合の推移
図2-1●HTTPS(TLS/SSL)を使用するWebサイトの割合の推移
米グーグルやモジラ財団、オライリーなどが支援するプロジェクト「HTTP Archive」による調査結果。同プロジェクトでは毎月2回、アクセス数の多いWebサイト1万件を対象にコンテンツやトラフィックに関する調査をして公表している。
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 WebサイトのHTTPS利用を後押しする要因はいくつかある(図2-2)。まずプライバシーの保護である。1つのきっかけとなったのは、エドワード・スノーデン氏が2013年6月に明らかにした、米国政府機関による盗聴だ。米国家安全保障局(NSA)などがインターネットを流れる大規模なデータを収集していると同氏は暴露した。

図2-2●WebサイトのHTTPS利用を後押しする要因
図2-2●WebサイトのHTTPS利用を後押しする要因
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▼エドワード・スノーデン氏
米国中央情報局(CIA)や米国家安全保障局(NSA)の局員として、米国政府による情報収集活動に関わったとされる。