LPWAは、海外のモバイル通信業界が規格化を急いでいる領域であるが、既に国内に導入事例があることをご存知だろうか? それも複数の方式が存在する。
これらは、今注目を集めているLoRaでもSIGFOXでもない方式だ。それらは既に海外で十分な事業展開実績を持ち、LoRaやSIGFOXの先輩に当たる存在と言える。
電力や水道のスマートメーターに採用
本稿では2つのLPWA方式を紹介する。1つは電力スマートメーターに活用されているIngenu(アンジェヌ)社の「RPMA」(Random Phase Multiple Access)、もう1つは水道スマートメーターに活用されているSensus(センサス)社の「FlexNet」である。
Ingenu社のRPMAは、長谷工のマンション向けに提供されている高圧一括受電サービスで採用されている(図1)。マンション各戸の電力スマートメーターを管理するため、マンション内にアクセスポイント(すなわち基地局)を設置し、定期的(30分ごと)にモニタリングしている。
Sensus社のFlexNetは、神戸市水道局が行っている水道スマートメーターのフィールドトライアルで採用されている。神戸市内の約10カ所に水道スマートメーターを設置し、水の流量や漏水管理を行う(図2)。