「Airbnb」は民泊の事業者――。この見方は早晩、過去のものになるかもしれない。生活するように旅をするというビジョンの実現に向け、CTO(最高技術責任者)を兼ねる創設者のネイサン・ブレチャージク氏は、事業を支える要であるIT人材の拡充を急ぐ。


CTOを務めるブレチャージク氏
CTOを務めるブレチャージク氏
(写真:陶山 勉)
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 当社のコンセプトはとても幅が広いものです。当初は宿泊というサービスから始まりましたが、この4月には「ガイドブック」という、観光情報のサービスを始めました。

 ホスト自身が地元ならではの魅力的な施設や知る人ぞ知る観光スポットを登録します。ゲストはそれを見ることで、型にはまった旅行から抜け出すことができるでしょう。

 将来的には、旅行者が旅先でよりよい「生活」をするための、様々なサービスを提供するアイデアも持っています。現時点で確実なお話はできませんが、事業への投資とサービス拡大を続けるつもりです。

 「Airbnbで旅行をする最大の理由は、旅先の地で、そこに暮らしているかのように過ごしたいからだ。他人と同じ景色を見るために、長い行列に並んだり人混みをかきわけたりしたい人はいない」。

 共同創設者の一人、ブライアン・チェスキーCEO(最高経営責任者)は、新機能「ガイドブック」提供の背景をこう説明する。

観光情報を提供する「ガイドブック」
観光情報を提供する「ガイドブック」
(出所:米Airbnb)
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宿泊先の条件をスマホアプリで指定する新機能
宿泊先の条件をスマホアプリで指定する新機能
(出所:米Airbnb)
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 Airbnbはガイドブックと同時に、利用者の好みに合わせた宿泊先をお薦めする機能の提供も始めた。利用者はスマートフォンのアプリから、希望の条件を入力して宿泊施設を検索する。住宅街や繁華街といった、周辺地域の雰囲気に関する情報も表示するなど、「暮らすような体験」の提供にこだわっている。