書くプロセスの1つの例として、本(ビジネス書)の執筆プロセスを説明します。

 本屋さんに行ったらいろいろな本が並んでいますね。でも、本屋さんごとに棚差しにされているものと平積みになっているものは違います。書店員さんが、売れるもの、売れやすいもの、売りたいものを平積みにし、目につきやすいところに置いているわけです。

 本を執筆するに当たって最初にやることは、本屋に行って本の並びを見たり、各種ランキングを見たりして、どんな本が今売れているのかをつかむことです。市場の求めるファンクションを分析します。ファンクションというのは機能です。機能というのは目的と言い換えてもいいです。

 次に「読者像を探る」を行います。アウトプットとしてペルソナを作っています。たとえば「35歳から40歳ぐらいの中堅マネジャーで、部下が10人ぐらいいて、妻が1人、子どもが2人いる。週末はなかなか時間がなくて、自己啓発の時間がとれない。それでもスキルを身につけたいと思っている」――といったことを決めます。

 ペルソナというのはマーケティング手法の1つで、顧客像を具体的にイメージすることで、顧客はどんなニーズを持っているのか、どんなことに困っているのか、などを明確にするのに役立ちます。