「書くスキル」とはそもそも何でしょうか。書くスキルの構成要素には3つあると考えています。

表現をストックしておく

 1つは「表現のストック」です。自分の考えていることをどう表現するのかということです。それはボキャブラリーだったり、レトリック、効果的な表現だったりします。これらはストックするしかありません。

 筆者の場合、本を読んで「いいな」と思った文章は、小さなノートに抜き書きしてしばらく持ち歩いて、何度も読み返していました。すると、その表現が自分の中に染み込んでいきます。

 類語辞典も活用しています。類語辞典を持っている人は多くないかもしれませんが、非常に便利です。類語辞典のスマホアプリもあります。そうしたアプリでは、自分の使おうとしている言葉を入力して検索すると、似たような言葉がざっと出てきます。筆者は『角川類語辞典』のアプリを使っています。

 たとえば、「管理」というワードを検索すると、「支配、左右、統率、統帥、統御、コントロール、制する、制御、牛耳る、牛耳を執る、統べる、束ねる、握る、掌(つかさど)る、司令、司会、主宰、差配、掌握、掌理、管掌、管轄、所轄、直轄、主管、移管、統括、総括、総覧、総理」と出てきます。

 こういった言葉があるんだと知るだけでも楽しいですし、自分が言いたいことを最も適切に表現している言葉を選ぶクセをつけておくことは、文章を書く上で非常に大切です。