文章を書くシーンは非常に増えています。メール、議事録、設計書、報告書、企画書、提案書、プレゼンテーションのスライドとかもあります。ここ数年では、LINE、Facebook、TwitterなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に文章を書いている人は大勢います。10年前もしくは15年前に比べると、文章を書く、文字を使って表現する、というシーンは飛躍的に増えています。

 書くシーンが増えているので、書くことへの抵抗感は小さくなっているはずですが、仕事における書くシーン、たとえば、提案書を書いたり、設計書を書いたり、もしくは企画書とか報告書を書いたりするとき、うまく書けないと困っている人は多いようです。

 うまく書くことができない、つまり文章を使ってうまくコミュニケーションができないとどうなるでしょうか。まず、誤解を招きやすくなります。「そんなつもりのメールではなかったのに、相手を非常にネガティブにさせてしまった」とか、「プロジェクトメンバーにメールで指示を出したら、まったくこちらの意図とは違うアウトプットが出てきた」などです。

 また、クライアントに提案書を出しても、読んでもらえない、通らない。上司に企画書を出したけれど、通らない、認められない、といったことが起こります。

 これらはすべて「書くスキル」を持っていないから起こっています。もちろん、書く以外にもさまざまなスキルは必要ですが、書くことはすなわち「考える」ことでもありますから、非常に大きな役割を果たしていると言えます。