総合ディスカウントストアチェーン「ドン・キホーテ」などを展開しているドンキホーテホールディングス。2014年6月期の決算で、25期連続の増収増益。2015年6月期にさらに記録を伸ばす見込みだ。
過去10年でROEは、10%以上の高水準をキープ。安定して稼ぐ力を発揮している。
その源泉は、店舗や売り場などの責任者に権限を委譲し、現場主導で売り場を作っていく「個店主義」だ。売り場に並ぶ商品のうち、6割は本部が仕入れるが、残り4割の仕入れは、店長や、家電製品や日用雑貨品など各売り場を担当する責任者の裁量に任されている。
現場の裁量によって仕入れた商品の販売実績は、店長や売り場責任者の人事評価にもつなげる。給与の半分が業績に連動し、売上高、粗利益、在庫回転率という3つの指標で評価。店長や売り場の責任者の「商売人」としての士気を高めることにつながっているのだ。
他店を参考に“稼ぐ”売り場作り
ただし業績連動型報酬という金銭的なインセンティブを与えて、自助努力に任せているわけではない。店長や売り場の責任者が、高い「商売人パフォーマンス」を発揮できるよう、情報提供を惜しまない。全国約300店舗のPOS(販売時点情報管理)システムからデータを吸い上げ、リアルタイムに現場にフィードバックしているのだ。