海外セレブリティにはInstagramの投稿広告が有料で発注されている(参考記事)。有名モデルのカーリー・クロスやミランダ・カーの投稿は2万5000ドルから5万ドルほどの価値がある(図1)。ケンダル・ジェンナー、カーラ・デルヴィーニュなどのトップモデルの投稿1つには、12万5000ドルから30万ドルの価値があるという。日本でも、著名インスタグラマーなどには広告発注が数多く行われている。
ファストファッションのEコマース企業、Boohoo.comのサイトには毎週500種類の製品が登場するが、とくに売れ行きが好調な製品の色、サイズ、在庫を増やすためにリソースを割く。このとき、何が売れるのかを判断するために、顧客との最初のコンタクトの場としてInstagramを利用しているという。Instagramで反応がいい製品は今後売れるという予測ができるというわけだ。
Instagramは、製品デザインのコンセプト決定、顧客との交流、コンテンツマーケティングのリソースや広告配分を判断する場として使われているのだ。このように注目されるInstagramにおける露出を増やせるのが「Instagram広告」だ(参考記事)。
これまでInstagramには大企業しか広告を出すことができなかった。しかし、2015年10月から、Instagram広告が一般ユーザーにも開放されている。Instagram広告は、他の多くのソーシャルメディア広告と同様、インフィード型のネイティブ広告となっている。つまり、他のフォローしているアカウントの投稿と同じ見た目で、他の投稿と同様タイムライン上に並ぶタイプの広告ということになる。ただし通常の投稿と区別するために、右上に「広告」と表示される(図2)。
米MDG Advertising社の2014年の調査によると、バナー広告のクリック率は2000年には9%だったのが、2012年には0.2%にまで落ちている(参考記事)。「バナー・ブラインドネス」という、ユーザーがバナー広告に目を向けない現象が起きているのだ。一方、ネイティブ広告はバナー広告の1.5倍見られており、インフィード広告を見るユーザーはバナー広告の1.25倍、ブランドに親近感を覚えたユーザーはバナー広告の1.1倍、ブランドが意図した行動を起こしたユーザーは1.2倍など、高い効果が期待できるのだ。
Instagram広告は他の広告と何が異なるのだろうか。今回は、Instagram広告の特徴と出稿方法、NG例を考えていきたい。