本連載「三流SEにならないための20代SEへのエール」では、次の世代を担う今の20代の若いSE向けに、30代後半、40代になっても三流SEにならずにイキイキとSE人生を歩むためには今、何を心がけ、何をやっておけばよいかを、筆者の思いを込めて書いている。

 第1回(ITに詳しいSEは格好よく見える、だがそこに落とし穴がある)からやや間が空いたので、まず前回の内容をおさらいする。

いつの間にか落ちこぼれ的三流SEの道を歩む

 第1回では次のようなことを書いた。SEは20代の若いときには、誰しも自分が30代後半や40代になって落ちこぼれ的三流SEになるとは思っていない。だがSEの長い歴史を見ると、30代後半や40代になってもリーダーシップを発揮してイキイキと仕事をしているSEはいるが、そんなSEばかりではない。若いときのような元気さや溌剌(はつらつ)さがなくなったSEが散見される。

 そして彼ら彼女らは保守的になって、与えられた仕事を淡々と覚めた気持ちでやったり、得意分野の仕事しかやらなかったり、後ろ向きなことばかり言ったりしている。そんなSEは言うまでもないが、後輩SEを引っ張って仕事をすることはできないし、時には邪魔になることさえある。

 すなわち、そのようなSEは落ちこぼれ的な三流SEである。きっと彼ら彼女らは、SEをやっているうちにいつの間にか落ちこぼれ的三流SEの道を歩んだのだと思う。

 SEがそうならないためには、20代の若いうちにSEの仕事に関わる物事、例えばSEや顧客、営業、ビジネス、ITについてSEとしてどう考えるべきか、その正しい考え方を身につけることが極めて重要である。これは筆者の経験から断言できる。

 そして、その時代に身につけるものがおおよそ10項目ある。言い換えれば、三流SEにならないための10原則とも言える。

 前回は、第一の原則として「ITをよく知っているSEが優秀なSEだと思うな」を挙げた。若いSEは往々にして、ITをよく知っているSEが優秀だと思うものだ。そして、ITに詳しいSEは格好よく見える。だがそこに落とし穴がある。それは要注意であるということを述べた。

 きっと読者の中には異論のある人もいると思う。だが、異論のある人は周りのSEだけでなく、SE以外の営業の方々などともトコトン議論してみてほしい。すると筆者が主張していることが分かるはずだ。もし分からなければ、失礼な言い方かもしれないが、そんなSEはきっと三流SEの道を歩むものと思う。