前回まで5回に渡り、筆者の就活のほぼ全てを公開してきた。今回は筆者が転職した後の話を述べて最終回としたい。

 筆者の転職後の話に入る前に、A社を辞職してから転職するまでの空白期間について述べておこう。辞職してから次の会社に間を置かず転職する場合は、辞職時に会社から渡される書類一式を転職先に提出すれば特に何も自分で手続きをすることはない。しかし筆者のように転職までに期間が空くといろいろと面倒な手続きが必要になる。主に以下の手続きになる。

  • 失業給付金
  • 国民健康保険
  • 国民年金

 手続きについては関係機関のサイトで詳しく紹介しているのでここでは割愛する。想定外だったのは国民健康保険の保険料だ。市町村ごとに費用の計算方法は若干違うようだが、基本的にはそれまでの所得額をベースとした保険料が算出される。これまで高所得だった場合は月額でみるととんでもない金額の保険料になってしまう。事前に市役所などで調べて、概算を押さえ、転職までの期間の支出に組み入れることが不可欠だ。

 さて筆者は2015年11月1日(日曜日)入社、翌月曜日が初出社日になった。筆者はかつて中小企業に勤めていたこともあり、またツテであるM氏から(連載第2回参照)事前に会社のことをいろいろ聞いていたので、ある程度の想定と覚悟はできていた。だが、やはりその場になると緊張しながらの初出勤となった。月曜日は全体朝礼があり、その場で自己紹介を済ませた後、掃除から始まった。長い間大企業に勤めていると掃除をする機会といえば長期休暇の前日、年末の大掃除くらい。久しぶりの社員全員参加の掃除に中小企業に勤めていた頃を思い出した。

 その後、簡単に会社の説明があり、具体的な仕事の指示はない。当然知りたいことがあれば自ら聞くことになる。なんとも心もとない感じになる。筆者は新入社員ではあるものの、経験者でありシニアである。入社時点で一人前の社員とみなされる。まして筆者は行動計画書を提示しての入社である(第2回参照)。何をすべきか改めて行動計画書に記載したアクションプランが頭に浮かぶ。

小企業でもUTMで防御、Skypeの活用進む

 N社での筆者の配属先は営業推進部である。席に座り、PCとスマホのセットアップ、といってもメールの設定程度で仕事ができる体制はすぐに完了。PCを箱から出してセットアップするところから始めることを想定していた筆者は、忙しい中、受け入れ準備をしてくれた方々の配慮を感じ、その心遣いに感謝した。

 小さな会社ではあるがセキュリティはUTM(Unified Threat Management)でガードされており、部門ごとにはアクセス権限がしっかり管理されている共有サーバーが用意されている。業務システムの大半はIT化されており、細かいことだがコピー機で書類などをスキャンしPDF化すれば、自分のPCのフォルダーに保存されるなど、仕事をする上でのITシステムの装備は意外にも整っていることに正直驚いた。