基本的な機能を完備する代表的なパスワード管理アプリとして、「LastPass Password Manager」を取り上げよう。パスワード管理アプリとは一体どのようなものかが、具体的に分かるはずだ、最初に紹介するアプリなので、他のアプリとも共通する機能を含めて紹介する。

 LastPassは、Android版とiPhoneやiPadなどのiOS版があり、どちらも無料で利用できるアプリだ(画面1画面2)。インストールしたスマホやタブレット以外のデバイスと、パスワード情報などを同期させたいなら、有償のプレミアム会員にアップグレードする必要がある。

画面1●LastPassのAndroid版。登録済みのデータが分野ごとに登録サイト名順に並ぶ
画面1●LastPassのAndroid版。登録済みのデータが分野ごとに登録サイト名順に並ぶ
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画面2●LastPassのiOS版。画面はWebブラウザー風だ
画面2●LastPassのiOS版。画面はWebブラウザー風だ
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 プレミアム会員の料金は年間12ドルで、LastPassの公式サイトで契約できる。また、AppleのApp Storeでは年額1400円、GoogleのPlay Storeでは年額1300円で、アプリ内購入という形でプレミアム会員になれる。

まず「マスターパスワード」を指定

 LastPassを使うにはまず、アカウントを作成する必要がある(画面3)。メールアドレスとパスワードを入力するとアカウントが作成され、アプリにログインできるようになる。この「マスターパスワード」から、入力したデータを暗号化するキーが内部で生成される。

 マスターパスワードは、利用者しか知らず、アプリでも確認はできない。このため、利用者がマスターパスワードを忘れると、アプリへのログインや、データの復号が一切できなくなる。

 あらかじめ、マスタースワードを思い出すためのヒントを登録しておくと、忘れたときにメールで受信できる。ただ、メールを盗み見られたりすると、ヒントからマスターパスワードが分かってしまう危険性があるので、できれば利用せずにすませたい。

 iPhoneの「Touch ID」のような生体認証機能があるなら、初期設定後は、マスターパスワードではなく指紋などでログインすることも可能だ(画面4)。

画面3●LastPassの初回起動時の画面(Android)。登録済みのアカウント情報を入力するか、新規アカウントを作成する
画面3●LastPassの初回起動時の画面(Android)。登録済みのアカウント情報を入力するか、新規アカウントを作成する
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画面4●iOS版は「Touch ID」の指紋認証でアプリにログインできる
画面4●iOS版は「Touch ID」の指紋認証でアプリにログインできる
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