ドアノブを握り、見たい場所をつぶやきます(図1)。ドアを開けると、その場所の風景が現れます(図2)。顔を上下左右に向けると、見える風景の方向も変わります(図3)。それが「どこでも(見える)ドア」です。

 ドアノブに静電センサーを付けていて、握られたら、行きたい場所を判別する音声認識を開始します(音声認識ソフトにはJuliusを利用)。ドアが開いたことは磁気スイッチで認識します。風景の表示には米Google社の「ストリートビュー」を使いました。ストリートビューを無償で使うには誰もがアクセスできる必要があるため、ストリートビューは公開サーバーに依頼して入手する仕組みです。

 カメラが取り付けられていて、画像処理ライブラリの「OpenCV」で顔を認識します。顔の位置から角度を算出し、公開サーバーに依頼してストリートビューの角度を変えます。一定期間以上顔が認識されなかったら初期状態に戻ります。

 会社内の同好会で技術者だけでなく営業担当者も混じり、学生の部活動のように楽しんで開発しました。開始時にRaspberry Piを1人しか持っていなかったのが、いつの間に半数以上が保有するようになりました。

図1●見たい場所をつぶやいてドアを開ける
図1●見たい場所をつぶやいてドアを開ける
[画像のクリックで拡大表示]
図2●風景を画面に表示
図2●風景を画面に表示
[画像のクリックで拡大表示]
図3●のぞき込むと風景が見える方向も変わる
図3●のぞき込むと風景が見える方向も変わる
[画像のクリックで拡大表示]