図6が本システムの全体構成です。赤道儀に、超望遠レンズとして使用する望遠鏡を載せます。焦点距離は1950mmで、その先に星を撮影するデジタルカメラを取り付けます。
望遠鏡に、白い小型のガイド望遠鏡を設置します。ガイド望遠鏡には市販のUSB Webカメラを取り付け、これで撮影した星の動きから赤道儀にフィードバックをかけます。Webカメラにはたまたま持っていたエレコムの「UCAM-DLK130BK」を使用しました。
Webカメラの画像はラズパイへUSB 経由で入力します。ラズパイでは入力された画像を、取り付けたTFTディスプレイに表示します(図7)。ディスプレイは冬場に手袋をしても操作できるように、感圧式のタッチパネルを持つ米Adafruit社の「PiTFT」を使用しました。
ラズパイでWebカメラの星像から星のズレを検出すると、自作のインタフェースボードに対して赤道儀のコントロールを指示します。どの向きに補正しているかは、本体に取り付けた4個のLEDからなるインジケーターで表示します(図7)。ちなみにインタフェースボードにはハンドコントローラーもつないでいて、ハンドコントローラーとラズパイのどちらで赤道儀を制御するかをスイッチで切り替えられます。
PiTFTはそのボード裏のピンソケットをラズパイのピンヘッダーに直接差すだけで使えます。ただし本システムではケースに入れる都合上、図8のようなケーブルを作成して接続しています。ラズパイ本体はモバイルバッテリーを外部から接続して駆動しています。
望遠鏡に取り付けるために、Web カメラは分解して元々付いているレンズを取り外しました。それを望遠鏡用の金具(直焦点アダプター)に取り付けます(表1)。オートフォーカスがないWebカメラでは、たいていM12マウントというねじ込み式のレンズが使われていて互換性があります。本システムではガイド望遠鏡の接眼レンズのところに取り付けました(図9)。