USB接続の「MIDI」をRaspberry Piにつないでリアルタイム演奏ができるソフトウエアシンセサイザー「BerrySynth」です。Raspberry Piと電源、スピーカーにつないだUSB DAC、USB MIDI、ネットワーク環境があればすぐに始められます(図1)。

図1●ソフトウエアシンセサイザーのBerrySynth
図1●ソフトウエアシンセサイザーのBerrySynth
下のキーボードがUSB MIDI機器。

 シンセサイザーは、元となる波形にフィルターをかけたり、音量の時間的に変化させたりして合成するための装置です。従来はハードウエアで作られていましたが、最近はCPU性能の向上からソフトウエアでも実現できるようになりました。これを安価なRaspberry Piで実現しました。

 高音や低音を削るフィルターをかける、ビブラートをかける、エコーやコーラス効果を適用する、といった効果をかけられます。キーボードなどの60音色を登録済みです。

 こうした各種パラメーターは、スマートフォンやPCなどのWebブラウザーから設定・変更できます(図2)。この仕組みはPHPやJavaScriptで実装しました。表示したつまみを上下にドラッグ(フリック)することで各種パラメーターを変更できます。シンセサイザーの本体はC/C++で記述しています。

図2●シンセサイザーのパラメーターを設定・変更するWebインタフェース
図2●シンセサイザーのパラメーターを設定・変更するWebインタフェース
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 実際の利用者から単体でも利用したいという意見をもらったことから、外付けモジュールでもパラメーターを設定・変更できるようにしました。LCD版(図3)と、暗いライブハウスでも使える7セグLED版があります。いずれもタクトスイッチで音色などを切り替えられます。

図3●ブラウザーなしでも使えるようにする外付けモジュール(LCD版)
図3●ブラウザーなしでも使えるようにする外付けモジュール(LCD版)