眠気の増加や集中力の低下を誘うといわれる「CO2濃度の向上」を感知するなど多様な機能を備える車内用ぬいぐるみ型ロボットです。CO2ディテクターで濃度の向上を感知すると、音声で換気などを促します(図1)。締め切った状態では毒性を持つレベルまで高まる危険性があるCO2を管理することで、交通事故の発生を減少させます。また、音声だけで通知・指示できるようにしたため、ドライバーの運転も妨げません。

図1●利用したCO2ディテクター
図1●利用したCO2ディテクター
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 Twitterを定期的にサーチして、近くの渋滞や事故の情報を収集し、ドライバーに伝えます。Webカメラを使ったドラブレコーダー機能もあります。音センサーを搭載し、ブレーキ音や音声など一定以上の音を検知したときに撮影を開始します。撮影した動画は、Dropboxを使ってクラウドにも保存します。友人のRaspberry PiのSDカードが壊れて「カーネルパニック」を起こしているのを見て、ローカルの保存だけではドライブレコーダーとして不十分だと判断しました。

 音声認識ソフトには「Julius」、音声合成には「OpenJTalk」というソフトを利用しました。合成する音声は、性別、音質、ピッチ、会話速度などをパラメーターで調整できます。ほとんどのソフトはPythonで記述しましたが、一部Rubyを使っています。

 コンテストについては、締め切りの10日前に研究室の教授から知らされ、これまでの経験を基に急いで実装しました。ぬいぐるみとして完成させたイメージは図2のようになります。

図2●マイクなどはぬいぐるみに内蔵する予定
図2●マイクなどはぬいぐるみに内蔵する予定