水質の汚染が進んでいる河川を浄化する地元のプロジェクトを支援するため、河川の透明化監視装置を作りました。ペットボトルにRaspberry Piとカメラを入れて、Wi-Fi経由で動画をスマートフォンに送れるようにしています。

 本体は浮きのような構造になっていて、カメラ部分が水没して、Wi-Fiドングルの部分は水面から出る形になっています(図1図2)。スマートフォンのテザリングに接続すると、動画の配信が始まります(図3)。

図1●河川透明化監視装置
図1●河川透明化監視装置
左側がWi-Fiドングルで水面に出て、右側のカメラが水中を撮影する。
図2●装置を利用しているところ
図2●装置を利用しているところ
カメラの下にフックが付いていてロープを引っ張って回収できる。
図3●サンプル動画を見ているところ
図3●サンプル動画を見ているところ
配信ソフトにはMJPGstreamerを利用。
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 本体は内蔵のモバイルバッテリーを含めて約800gと軽く、持ち運びやすいサイズです。当初、こうしたサイズで動画を配信できるデバイスが見つからず困っていたところ、Raspberry Piに出会って早速採用しました。実験が終わった後、Raspberry Piはほかの用途に使える点も魅力でした。

 最初の装置を実際に試したところ、一部に水が入ってしまいました。しかし、水が入ったのはバッテリー部分だけで、Raspberry Piやカメラとの間に仕切りを設けてシリコンコーティングをしていたため、故障を免れました。河川に入れると温度差で容器内の圧力が下がり、水を吸ってしまったのが原因と見られます。

 そこで防水を強化し、水中での屈折率を考慮したカメラレンズと装着した2号機を製作しました。