Raspberry Piで安価に高級オーディオ「マルチアンプシステム」を実現した作品です(図1)。

図1●ラズパイで実現したマルチアンプシステム
図1●ラズパイで実現したマルチアンプシステム
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 通常のオーディオでは、スピーカーへの入力が1本で、スピーカー内で高音や低音に音を分けて高音用のツイーターや低音用のウーハーを鳴らします。一方のマルチアンプシステムでは、元の音を最初から高音や低音に分けて、それぞれを別々のアンプに入力します(つまりマルチアンプ)。

 各アンプにツイーターやウーハーをつないで鳴らすことで、仕組みは複雑になりますが、より高い音質を実現できます。本作品では、音をデジタルのまま高音や低音に分けて、HDMIに出力するソフトをRaspberry Pi上で開発しました。高音、中音、低音、超低音の最大4ウエイに対応しています。

 マルチアンプに対応したAVアンプ(7.1ch)は市販の製品を使いながら、マルチアンプに対応したスピーカーは自作して、高音質を楽しんでいます。

 ソフトは作者のWebサイト「http://audio2.amanogawa.info/」で2種類を公開しています。一つは「hdmi_play2.bin」で、周波数を分けた音楽データをHDMI に出力するソフトです。「8チャンネル32ビット」を扱えます。

 もう一つは「amafir」で、これが音楽のデジタルデータを周波数ごとに分割するためのソフトです。畳み込み積分という計算式を使って高精度に計算します。ほかに音楽サーバーソフトの「MPD」(Music Player Daemon)を組み合わせて利用します。