ゲームやネット広告などを手掛けるドリコムは自社のITエンジニアと別の企業との交換留学を実施している。それぞれのITエンジニアが1週間、相手先企業の社員としてシステム開発などの業務に従事。所属はそのままで他の企業へ転職したかのような体験をして、見聞を広げられるようにする。多様な経験を積める職場環境を通じて人材を惹きつける。第一弾としてイラスト投稿サイトを運営するピクシブとの間で実施した。

ドリコムの大仲氏(右)とピクシブの高山氏(左)
ドリコムの大仲氏(右)とピクシブの高山氏(左)
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 始まりは酒の席での何気ない一言だった。

 「そっちの会社の仕事ぶりはどんなふうなの?一度、中に入って見せてよ」。

 ドリコムでソーシャルゲーム開発を担当する大仲能史氏が、ITエンジニア同士の交流会でピクシブの社員と交わしたこの言葉から、両社間での社会人交換留学は実現した。両社の現役社員を一定期間だけ交換し、相手先企業の業務に従事させる。それも単純作業や周辺業務ではなく、相手先企業の主力サービスの開発や運用に携わる。

 大仲氏はドリコム側で社会人交換留学の「一期生」だ。期間は昨年4月の一週間。次いでピクシブ側からは、技術統括の高山温氏がこれも一週間、ドリコムに留学した。