ファイル履歴は、負荷も低く、ファイルのバージョン管理も可能というメリットがある一方で、エラーが起こった場合に、原因を詳細に示すGUIがなく、ファイル履歴のコピー全体が止まってしまうという欠点がある。今回は、ファイル履歴でトラブルが起こるポイントやそのチェック方法を紹介する。

 また、全角カナと半角カナで同名のファイルがあると、エラーとなってしまうことが知られている。しかし、Windows 8の頃から修正される気配がなく、現状「仕様」として扱うしかない。具体的には、

ファイル.txt
ファイル.txt

のようなファイルが同一フォルダーに存在する場合にエラーとなる。フォルダーが違う場合にはエラーにならない。半角カナは、利用頻度が減ってきており、利用しないユーザーも多いが、ダウンロードした古い圧縮ファイルの中にあるファイルなどでは、半角カナが使われている可能性もある。Windowsの標準機能では、こうしたファイルを検索することは難しい。エラーになった場合にその原因となったフォルダーを探すのが面倒だ。

 この半角/全角の同名ファイルの問題は既に知られているが、知られていないエラー原因がまだあるかもしれない。例えば、ユーザーフォルダー以下にある「お気に入り」を含めるとファイル履歴が動作しないという報告もある。お気に入りフォルダは、Internet Explorer特有の機能。Windows 8からはアカウントによる同期の対象になっているため、他のPCでお気に入りに何かを加えた後に同期されてしまい、それまでエラーが起こらなかったPCでエラーが発生する恐れもある。Windows 10の「Edge」は別のブックマークを利用する。「お気に入り」をどうしてもバックアップしたいのでなければ、設定時に「除外するフォルダー」に指定しておいてもいいだろう。

 ファイル履歴にはもう一つ注意すべき点がある。ファイル履歴の機能である「個人用ファイルの復元」ウインドウ(実際にはFileHistory.exeという実行ファイルのウインドウ)が開いていると、ファイル履歴のコピーができないのだ。これは、保存したファイルをリストアするためのプログラムだが、リストア作業が終わった後は、すぐに終了させた方がよいだろう。以下のエラーの有無を調べる手順などの場合にも「個人用ファイルの復元」を開いているとファイル履歴の定期的なコピーが実行できずエラーが表示されてしまう。

ファイル履歴でエラーが起こっているかを調べる

 エラーが起こっているかどうかは、コントロールパネルのファイル履歴で簡単に調べられるが、正確には、「イベントビューアー」を利用する。

 「コントロールパネル」→「ファイル履歴」では、正しく動作している場合に前回バックアップコピーを行った日時が表示される。この日付が古いまま、あるいは初回のコピーのままになっている場合、エラーがあると考えられる。