他サイトでIT関連の時事ネタを扱うコラムを連載中の筆者は、12月のテーマとして来る元旦に行われる予定の「うるう秒」をテーマにその概要を書いた。今回のうるう秒は、世界で一斉に行われる。日本時間では「2017年1月1日午前8時59分60秒」という「1秒」が挿入される予定である。

2017年1月1日午前8時59分60秒

 そもそも、うるう秒とは、もともと基準とされていた天体の動きに基づく「天体時」と、原子時計(情報通信研究機構の説明では、セシウム133原子の遷移周波数を使い、数十万年に1秒ずれるだけの高精度な時計、とある)の刻む正確な時刻(原子時)のずれを調整するために、1秒を追加する制度。4年に一度、2月29日という1日が挿入される「うるう年」のように定期的なものではなく、天文観測結果を見ながら不規則に挿入が行われるシステムだ。

 うるう秒は、フランス・パリにある地球の回転の観測を行う国際機関IERS(国際地球回転基準系事業、International Earth Rotation and Reference Systems Service)が決定していて、これを受けて世界で一斉に行われる。日本では、総務省及びNICT(National Institute of Information and Communications Technology、情報通信研究機構)が法令に基づき標準時の通報にかかわる事務を行っている。IERSの決定に合わせて、NICTが日本標準時に「うるう秒」の挿入を実施している。

 今回のうるう秒に関して、詳しくはNICTのプレスリリース「うるう秒挿入のお知らせ」から参照できる。「来年の元日はいつもより1秒長い日となります」というサブタイトルで、「平成29年(2017年)1月1日(日)午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に「8時59分60秒」を挿入します」と告知している。

NICTのプレスリリース「うるう秒挿入のお知らせ」ページ
NICTのプレスリリース「うるう秒挿入のお知らせ」ページ
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 なお、うるう秒の挿入は、最近では1年6カ月前となる平成27年(2015年)7月1日に行われた。今回で27回目だ。元旦は平成21年以来となる。