筆者は長野の松本に在住し本コラム「信州ITラプソディ」を執筆しているが、読者の方から「松本から情報を発信していて、なぜ山雅のことを書かないの?」と言われることがある。山雅とは、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟している「松本山雅FC」のことだ。松本市を本拠地として、2004年よりJリーグ入りを目指して活動。2012年シーズンにJ2加入後、2015年シーズンはJ1、2016年シーズンからはJ2で活動している。ホームゲームは、アルウィン(松本平広域公園総合球技場)で開催している。

 ユニフォームなどで使われている“山雅カラー”は緑色だ。地元・松本の商店街の盛り上がりも大きく、街は何かと山雅カラーに染まっていて、市内の居酒屋では緑色の「山雅ビール」なるものを頼めるくらいである。そういえば松本では、ネットの陣取りゲームである「Ingress」はなぜか青チームが優勢の場合が多く、筆者は緑チームに属しているが、いつも押され気味である。お仲間のコメントなどによれば、山雅の試合のときなどに「アルウィンを緑に染めよう」「街を緑に染めよう」などと、頑張っている緑チームのサポーターもいるようだ。

 筆者もチームの歴史や山雅サポーターの応援のすごさ、地元での盛り上がりは知っており、一度は試合を見に行きたいなぁ、自分も応援したいなぁ、と思っていた。先日その願いが叶い、観戦に出かけてみて「サッカー観戦とIT」についていろいろと思うことがあった。今回はそれをしたためた次第である。

松本山雅FCの公式サイトのトップページ
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(出所:松本山雅)
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機会は突然訪れた。応援した、勝った、感動した!

 今回試合を観戦することになったのは、中学時代の同級生で作っているLINEグループのSくんから誘いを受けたことがきっかけだった。彼は首都圏在住だが年間パスを所有しており、東京から松本まで観戦にやってくるという熱心なサポーターである。

 せっかくの機会なので、チャント(サッカー応援の掛け声や歌)をネットで予習して(ぜひ見て覚えておけと、Sくんもダンナも言っていた!)、バスでスタジアムに向かった。後日公式Twitterアカウントを見たら駐車場の満車情報を流していて、自動車でアクセスするときに参考になりそうだと思った。

松本山雅FCの公式Twitterアカウントのページ
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(出所:Twitter)
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 席でSくん、同級生二人と合流。二人はやはりSくんに誘われて“ハマった”のだという。試合30分前から応援が始まった。筆者は元来ファンであるモータースポーツを通じてスポーツの応援には慣れているし、“予習効果”もあってサポーター集団にすぐに溶け込めた。

 試合は先取点を許したが、その後連続3得点で逆転勝ちを収めた。一緒に観戦した同級生たちとはもちろん、周囲の知らない人ともハイタッチをしたり喜んだりで、聞きしに勝る盛り上がりぶりだったった。こんな一体感、なかなか味わえない。サッカーもなかなか良いものだと感じた。