先日、Windows Phoneのことを書いたコラムで、スマートフォンからPCへのリモート接続が便利で重宝している、という話をした。しかし当たり前のことだが、PCの電源が入っていないとリモート接続はできない。かといって、リモート接続のためにPCの電源をいつでもオンにしておくのは、何となく気が引ける。

 2階の居間から階下の事務所にあるPCのリモート接続を行うとき、PCの電源が入っていなければ、電源を入れに事務所まで行かなくてはならない。それだと「電源を入れにPCの前に来たのなら、その場で作業もしてくればいいじゃないか」と思うわけで、これではリモート接続の便利さが半減してしまう。

スマートフォンからWOLを利用できないか?

 そこで思い出したのが、はるか昔に使ったことがある「Wake on LAN」(ウェイク・オン・ラン、WOL、WoLなどとも称される)だ。有線LAN上のPCの電源を、ノートPCなどほかの端末からリモートでオンにする手法である。WOLの設定をしたPCに、ほかのPCにインストールしたソフトから「マジックパケット」と呼ばれる特殊なパケットを送信して電源を入れる仕組みだ。

 当時はなかったが、今は簡単に持ち運べる便利なスマートフォンがあるので、これを使ってWOLで電源をオンにできないかと思ったわけである。

 事務所には、筆者のデスクトップPCが3台ある。このうち自分で組んだ、Windows 10 Pro搭載で、マイクロソフト純正のリモートデスクトップを使えるようにしているメインPCは、どうしてもWOLで電源を入れるようにしたかった。

 原稿書きに使っている“お仕事マシン”は少し古く起動に時間がかかるため、事務所に仕事をしに行く前にあらかじめ起動させておくという目的で、やはりWOLを使えるようにしたい。残る1台は、TVチューナーボードでの録画と動画や音楽のメディアサーバーに使っているマシンである。こちらはいつでも電源がオンなので、あまりWOLを使う必要がない。ただし、録画がない時間帯やメディアサーバーを使わない時間帯にはなるべく電源を切って省エネを図りたいという思いもあるので、WOLができるに越したことはない。

 お仕事PCとメディアサーバーPCはOSがWindows 7 Home Premium搭載で、マイクロソフト純正のリモートデスクトップ機能を使えない。そこで「Chromeリモートデスクトップ」を導入して、リモート操作ができるようにしている。Chromeリモートデスクトップは、スマートフォンで動作する遠隔操作用のクライアントアプリも提供している。

OSがWindows 7のPCは、「Chromeリモートデスクトップ」でリモート操作をしている
OSがWindows 7のPCは、「Chromeリモートデスクトップ」でリモート操作をしている
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