「PC不要論」を聞いたことがあるだろうか。スマートフォンやタブレットでPCの作業は代替できるので、PCは今後廃れていくだろう、といった話である。

 確かに、PCを持たずにスマホやタブレットだけで用事を済ませている人もいる。だがPCユーザーが「もうPCは使わない。スマホとタブレットで十分だから」などと言う場面は、あまりお目にかからない。少なくとも筆者の周りでは。

スマホ時代の今だからこそ、複雑で大きな作業はPCに頼る

 筆者は以前から、PC不要論には疑問を感じていた。PCは、豊富なスペックと多様なハードウエア/ソフトウエアを組み合わせ、同時に起動した複数のアプリを行き来して、さまざまなコンテンツを作ったり扱ったりできる。だから生活の大半をスマホやタブレットで賄えたとしても、PCを使わない人が増えたとしても、PCはなくならないと思う。

 実際、筆者も多数の作業をPCでこなしている。例えば原稿を執筆する作業は、Webブラウザーで複数のページを開いて調べものや事実確認をしながら、テキストエディタに文章を入力するという方法で進めている。また写真の調整や加工、図版の作成、大事な用件のメールを書く、DTPソフトを使ったレイアウト、音楽や動画の編集や作成、Webページの制作、などもPCで行っている。

  一方で、いつでもどこでも持ち歩けるスマホでこなす作業も多い。ちょっとした調べ物、日頃のニュースや常用サイトでの情報チェック、スケジュールやToDo管理、メモ書きや忘備録の作成と閲覧、文章の骨子や流れのための覚え書きの作成、ちょっとした写真撮影、SNSへの投稿と友だちの情報のチェック、電話やテキストメッセージのやりとり、電子書籍の閲覧、通販で商品を探して購入、などに使っている。

 このような感じでPCとスマホを併用するので、「スマホで書いたメモ書きがPCでさっと見れる」とか「PCで閲覧する資料を出先ではスマホでも見られる」「スマホで撮影した写真をPCですぐ編集できる」といった連携がすんなりいくと作業もしやすい。

 そうした背景から、スマホとPCのOSが同じベンダーのものであれば、連携もよりスムーズにいくのではないかと考えるようになり、2012年頃からメインで使っているWindows PCとWindows Phoneの組み合わせを断続的に試している。過去に、auのWindows Phone IS12T、マウスコンピューターのMADOSMA Q501、FREETELのKATANA 01など、安価なモデルを中心にWindows Phoneを使ってきた。現在は、マウスコンピューターの「MADOSMA」のQ601を使っている。オクタコアCPUを搭載した6インチと大きめ画面の高スペックな上位モデルだ。

筆者所有のMADOSMA Q601
筆者所有のMADOSMA Q601
(撮影:青木 恵美、以下同じ)
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