引き続き、ITを使っての「おかん」(実家の母)対策。今回のテーマは「おかんが家中のあちこちに置き忘れる鍵を見つける」である。

 歳を取って物忘れが激しくなった母は、週に何回かデイサービスやリハビリに行ったり、筆者やヘルパーさんと買い物や散歩に出かけたりなのサポートを受けているが、デイやリハビリは玄関先まで送り迎えしてもらえるし、買い物や散歩などの外出は必ず誰かが付き添うので、外で鍵をなくすことはほぼない。問題は母が家に帰ってから、もしくは家で1人でいるとき、である。

引き続き、鍵を家じゅうのあちこちに置き忘れる「おかん」対策

 鍵はタンスの脇の鍵掛け(鹿の形をした置物)に掛けることになっている。買い物から帰ってきたとき、筆者やヘルパーさんの目が届けば、母が置き場に鍵戻しているか、できる限り確認している。ただし帰宅時は何かとやることが多くて目が届かないこともある。

 デイサービスの帰りに送ってもらえて帰宅すると、たいてい母は1人になる。そんなとき、ふと玄関の靴箱の上や客間の椅子の上などに、鍵を置いたきり忘れてしまうことがある。

 それくらいなら一通り探せば見つかるが、台の端など不安定なところに置いて滑り落ちたり、コタツの上に置いたままコタツを上げて掃除を始めてしまったりなどで、鍵がどこかに入り込んで行方知れずになってしまうととにかく厄介だ。

 鍵がないことに気付くのは、次に出かけるときだ。筆者が母のお出かけのサポートに行ったり買い物などに連れて行ったりしようとして、「じゃあ鍵持って」と言うと、置き場に鍵がない。ヘルパーさんが「じゃあ買い物行きましょう、鍵は、あれっ?」という場合もあり、筆者に「鍵が無いようで…」と電話が掛かってきたりもする。そんなときは筆者が持っている合鍵で対応する。

 そんなことが何度か、しかも続けて起こって、筆者はいささか閉口気味だった。これがスマートフォンや携帯電話だったら、電話をかけて着信音で探すなどもできるのに、とも思った。

 そんなときに思いついたのが、スマホで探せる「忘れ物防止タグ」(キーファインダーなどと呼ばれることもある)である。なくしては困るもの、鍵やカバン、ポーチなどに付けて使う。子供さんやペットなどに付けて「迷子防止タグ」としての利用も可能だ。

「忘れ物防止タグ」、用途に合ったものを探してみた

 そんな感じで、「忘れ物防止タグ」をいろいろと探してみた。Bluetoothでスマホとペアリング、GPSを利用してスマホアプリでタグの場所を地図で表示、そこまでは共通だ。注意すべきはBluetooth接続なのと、GPSはタグに搭載されているわけではなくスマホのGPSと連携する点。つまり探せるのはBluetoothの電波が届く40メートル程度の範囲内のみ、となる。

 よくあるのは、鍵などを探す際に、スマホアプリの操作でタグのブザーを鳴らして探せるもの。このタイプは、タグがスマホから離れるとタグのブザーが鳴る(逆にスマホを置き忘れてもタグのブザーが鳴る)。IndyGoの「FIND」、Qrioの「Smart Tag」などが代表的だ。