それでは、各レイヤーのパケットに含まれるヘッダーを見ていきましょう。まず着目するのはイーサネットのフレームです。

 パソコンでインターネットにアクセスするとき、社内や自宅のLANを経由するのが一般的です。こうしたLANで通信する際に使われるプロトコルは、イーサネットです。イーサネットのフレームは図3-1のようになっています。

図3-1●イーサネットフレームの構造
図3-1●イーサネットフレームの構造
イーサネットは規格上、IEEE 802.3に基づいていることになっている。しかし実際には、業界標準となったDIX(Digital Equipment、Intel、Xeroxの略)規格のフレームが広く使われている。
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 イーサネットフレームのフォーマットは、実は何種類かあります。広く利用されているのはDIXという規格のフォーマットです。イーサネットの標準規格であるIEEE 802.3のフォーマットは、一部でしか利用されていません。

▼フレーム
イーサネットでやり取りされるパケットは「フレーム」と呼ばれています。一般にデータリンク層に流れるデータはフレームと呼びます。これに対して上位のネットワーク層に流れるデータはパケットと呼びます。更にUDPはデータグラム、TCPはストリームということが多いです。実際のところは、すべて「パケット」で大丈夫です。ただ、利用される層やプロトコルによって、流れるデータを呼び方で区別しているという意味が強いです。実際の現場でも、イーサネット上を流れるデータをフレームと呼ぶのがほとんどです。
▼一般的です
3Gモデム内蔵パソコンを除けばLANを経由します。Bluetoothテザリングの場合も、LANを使っていないといえるかもしれません。
▼DIX
DEC(Digital Equipment)、Intel、Xeroxの略です。この3社がイーサネットの仕様を規格化しました。